top of page
【2020年度 開催】
ZOOM (Pro以上)からYouTubeへのライブストリーミング[教員向き]
地域実践教育研究センター・准教授
志村真紀
ここでは、2020年度の遠隔授業「地域連携と都市再生A(ヨコハマ地域学)」および「地域連携と都市再生B(かながわ地域学)」において実施した「ZOOM Pro(以上)からYouTubeへのライブストリーミング」による授業の方法についてを、教員向けの情報として提供します。(学生の方に読んで頂いても構いません。)
この授業方法については、授業アンケート等においても学生からの好評なコメントや評価があり、「聴講する学生側」および「授業を提供する教員側」においても良い点が感じられました。
ストリーミングの技術については、既に WEB上の他サイトで詳しい説明が沢山紹介されているので、ここでは最低限のステップの紹介に留めますが、授業として実施する場合の留意事項や、学生からの感想を踏まえた当授業方法によるメリット・デメリットを簡略的にお伝えします。(*当内容は、動画による解説はありません。下記のテキストによる紹介となります。)
1.授業としてZOOMからYoutubeへのライブストリーミングを使うにあたってのポイント
●どんな授業の場合に向いているか・・・「(100人以上の)大規模クラス」
Zoom Proの最大利用者数が100人までのため「(100人以上の)大規模クラス」と挙げましたが、もちろん、100人以下のクラスにおいても有効的な側面が幾つもあります。下記には、大人数でZOOMを利用した場合のデメリットを、学生からの感想を元に挙げます。
・大人数が聴講すると通信容量が重たくなり、通信が途切れやすくなる。
・聴講者のミュートOFFがされていないか、聴講者側においても気がかりになっている。
・チャットの「プライベート設定」により、ダイレクトに学生が先生へとメッセージを送ることもできるので、チャットを通じて他学生が考えていることがわからなかったりする。
一方で、YouTubeライブの場合は、下記のようなメリットがあります。
・聴講者側で画素数・通信量を調整できる。比較的通信が安定している。
・聴講者側がビデオOFFや、ミュートOFFも気を使わなくていい。周辺状況・環境に気を使わなくても、wifi環境があればどこでも聴講できる。
・チャット上に投稿されたコメントは、全員が見ることができる。
●ライブ配信とオンデマンド化が同時にできる。
ライブストリーミング中は、その配信と同時に動画が保存されオンデマンド化されます。そのため、聴講者側が授業の途中において中座したい場合(例えばトイレに行きたくなった場合)においても、ライブ動画を「一時停止」をすればストップすることができ、その後「再生」ボタンを押せばそこから再スタートすることができます。また、ライブ中においても「巻き戻し」をしてわかりにくかった部分を振り返ることが可能です。
また、配信する側のメリットとしては、ZOOMの場合はライブ配信後に配信動画をダウンロードするための時間がかかり、さらにオンデマンド用に動画をアップロードする時間も必要となりますが、ストリーミングの場合はそのような作業時間が必要なくなります。なお、配信した動画はYouTube Studio上の機能で、カットなどの簡単な編集をすることができます。
●YouTubeライブによる「チャット機能」が、学生同士の「学びの場」に。
学生からは、YouTubeライブの機能のなかで「チャットが一番よかった。」という声が多く挙がりました。
講義を聴きながら「気づいたこと、驚いたこと、質問、感想などを気軽に投稿してください。」と予め伝えておきます。時には、誰もが答えられる簡単な質問を挙げ、みんなが投稿しやすい機会もつくります。そうすることで一方向性の講義(放送)にするのではなく、できるだけ双方向性をもたせアクティブ・ラーニングに近い状態にします。
また、意欲的な学生が多ければ、チャットに挙げられた質問に対して教員が応えるという関係性だけでなく、チャット上で学生同士が質問し教えあう、という現象も起きてきます。こうなると、まさにチャット上が「学びの場」になります。学生からの感想や授業アンケートによると、「チャット上のコメントには他学生の高い知識を感じるものもあり、その意識や知識の高さが刺激的となり、自分も頑張らなくては、と思った。」という学生も多かったです。
ただし、チャット利用にあたっては下記のようなデメリットや留意点もあります。
・チャットへ投稿するためには、聴講者がGoogleアカウントを取得していることが必要となります。
・ZoomからYoutubeへのストリーミングに、通信環境によって5〜20秒ほど差が生じます。
・チャットにおける投稿名については、大学から「 学生の個人情報が流出しないよう配慮するように」と通知が出ているため、氏名ではなくペンネームやニックネームなどによる投稿でも良いことにしています。
●YouTube上におけるクラウド上のデータ保管の無制限
ライブ配信した動画は「自動保存」することができます。また、たくさんの動画を無制限でストックすることができます。そのため、聴講者には「チャンネル登録」を推奨することで、過去の講義動画も見直しやすく、復習しやすくなります。
●動画のプライバシー設定
動画は、3つの区分で公開の範囲を限定できます。
・「公開」・・・誰でも検索と視聴が可能
・「限定公開」・・・リンクアドレスを知っている人のみが視聴可能
・「非公開」・・・(配信する)本人のみが視聴可能
一般的な授業の場合は「限定公開」が望ましいです。受講者がリンクアドレスを学外の方に伝えない限り、限定公開の状況が保たれます。(一般に向けて広く公開したい場合は、もちろん「公開」設定で良いと思います。)
いずれにおいても、資料の出典の記載や、映像や音楽など版権がある資料・データを用いる場合など、文科省が挙げている留意点には注意する必要があります。
2.Zoom(pro以上)からYouTubeへのストリーミングの方法
授業等でストリーミングをする際には、下記のような流れとポイントがあります。
-
YouTubeで動画を配信するには、Googleアカウントの取得が必要。
-
ライブ配信をする「24時間前」には、YouTube Studioの「ダッシュボード」でライブ配信の予約をする。
-
Zoom上での配信機能を有効にしておく。配信当日のZoomアドレスを予約する。
-
受講者へはYoutubeの配信URLを受講者に伝える。授業を共同するスピーカーにはZoomアドレスも伝える。
-
当日の15~30分には準備に取り掛かる。Zoomを事前の時間から連続して利用している場合には、ログアウト・ログインをした方がエラーが起きにくい。
-
Zoom「ライブ中カスタムライブストリーム配信サービス」を押し、YouTube Studioの「ダッシュボード」から「ストリーミングキー」などの3点をZoomの方へコピペする。
-
授業時間になったらYouTube Studioの「ライブ配信」のボタンを押し、ストリーミングを始める。
-
授業が終わったら、「ライブ配信 終了」のボタンを押し、ストリーミングを終了する。その後Zoomの方も退出する。
ストリーミングの詳細については、WEB上にストリーミングの方法を紹介しているサイトが幾つもありますので、下記サイトをご参照ください。その他「ZOOM YouTube ライブ配信」で検索すると、紹介サイトはたくさんあります。
https://www.asobou.co.jp/blog/bussiness/zoom-live
https://medium.com/penguin-lab/zoom%E3%81%AEpro%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%A7youtube-live%E3%81%AB%E9%85%8D%E4%BF%A1%E3%81%99%E3%82%8B%E6%96%B9%E6%B3%95-832a943d0fed
・ストリーミングの終了後に、YouTube Studioのダッシュボードにおいて「動画」→「エディタ」を押すと、ライブ配信動画の編集画面となります。「分割→カット→プレビュー→名前をつけて保存」により編集および保存ができます。
・ストリーミングの直後〜数時間・数日間において、ストリーミングライブの際に記入されていた「チャット」の内容が表示されない場合があります。YouTube Studioのダッシュボード上で「チャットのリプレイを許可する」にチェックを入れても表示されないこともあります。ただし、数時間あるいは数日後になって、チャット内容が表示されるようになる時があります。(この理由はよくわかりませんが、気まぐれ的な状況がありますので、気長に待ってください。)
3.授業を共同するスピーカーへの連絡事項( ZOOM側での留意事項)
・Zoomを通じてライブストリーミングをしている際に、「YouTube」のサイトを併せて観る場合には、ハウリングを避けるためにYouTubeサイトを消音(音声をOFF)にしてください。
・Zoom 上で「ビデオ・オン」している人の顔がYoutubeに映し出されます。一方で、「ビデオ・オフ」にしている人の顔は映し出されません。
・画面共有をしている際(パワポを映している際)は、「ビデオ・オン」をしている人のうち「声を出している人」しか「ワイプ」で映し出されません。
・「画面共有」をしている際は、「ビデオ・オン」をしている人のうち「声を出している人」しか「ワイプ」に映し出されません。
そのほか、配信内容や配信環境によっては下記の点に注意が必要です。
・Zoomを通じてYoutube側に「映像・動画」を見せる場合には、映像や音が荒れる場合が多いので、事前に「YouTube Studio」にて「ライブ配信の遅延」の設定を「通常の遅延」にするなどの工夫をしながら、事前練習・確認をした方が良いです。
・スピーカーの周辺環境において窓が開いている場合には、風の音が「雑音」となってしまうため、窓は閉めるか、ヘッドホンマイクを装着するのが良いです。
4.受講者側への連絡事項・留意事項(YouTube側への留意事項)
1.配信開始時間になっても、受講者側のYouTube画面で自動的に開始されない場合があります。そのため、配信定刻が過ぎたら、再読み込みや再生ボタン(▶︎)を押してください。
2.ZoomとYouTubeとの間で、タイムラグが5〜20秒ほど生じるため、チャットによる反応がに遅れます。
3.チャットにおける投稿名については、大学から「 学生の個人情報が流出しないよう配慮するように」と通知が出ているため、氏名ではなくペンネームやニックネームなどによる投稿で良いことにしています。
*上記方法よりも、画面構成をデザインし、その他の機能を有したストリーミングを実施する場合には、「OBS」ソフトを用いることが必要です。OBSを用いたストリーミング方法については、「104uRADIOで学ぶストリーミング配信とMC進行」のサイトをご覧ください。
https://www.chiki-ct.info/streaming
bottom of page